STI X マグノリア コーヒーロースターズ ①
先月、今月と2日間、臨時休業をいただきまして出張させていただきました。
何をしていたかと申しますと、スバルテクニカインターナショナル株式会社の本社にて、フォレスターtSおよびインプレッサ WRX STI tSの新商品発表会のお手伝いに行ってまいりました。
「tS」とはTuned by STIの略だそうです。
ベース車のポテンシャルをSTI独自の考え方に基づいたチューニングを行うことにより、解き放つというクルマです。
特に今回のインプレッサ WRX STI tSは、カーボンルーフといいまして、量産車ではBMW M3など特殊なものを除き、殆ど使用例がない炭素繊維を用いて、ルーフ(屋根/構造材)を成形するというチャレンジングなスペックを持っております。
カーボンを含む、いわゆる先端複合材は航空宇宙分野では早くから取り入れられてきました。
しかし、コストが相当に高いこと、量産性があまりよくないこと、異素材との接着技術など量産にあたっての周辺技術の課題などからクルマにはあまり用いられていません。
ANAがローンチするボーイング787では、翼の構造材などにも先端複合材が使われているようで、時代は進歩したものだと感心しております。
先端複合材は一般に、軽くて、高強度、高剛性など金属材料に比べて良い点もたくさん持っています。
少し専門的な話になってしまい恐れ入ります。
今回のカーボンルーフ採用には重心から遠いところのルーフをカーボン化(軽量化)することによって、3軸(ピッチ/ロール/ヨー)のモーメントを減らすことにあるように思います。例えば同じ1KGを軽量化するのでも、重心付近を軽量化するのと、重心から遠いところを軽量化するのとではモーメントの大きさが変わってくるために、その効果も全く違ってきます。
また、これこそがロードカーとしては大切な点だと思うのですが、バネ上(ボディ)の重量低減による乗り心地性能への寄与も大きいと思います。
モーメントが小さいので、サスペンションのスペックを大きく固めなくても、十分な操縦安定性の性能が得られる可能性が高いですね。その分を乗り心地性能へ振り分けられるという感じでしょうか。
そんなことから、私はこのクルマ(インプレッサ WRX STI tS )に乗ったことはありませんが、おそらく乗り心地は生産車と比較しても、悪くないのではないかと予想しています。
運動性能と乗り心地性能の両立という、ロードカーとしてのスポーツチューニングとしての相乗効果が得られるのではないかと思います。
炭素繊維の物性による剛性感など、官能評価も従来のものとは微妙に異なるのかもしれません。
(屋根を叩く雨音などは、うるさく感じにくくなるそうです。)
一般のユーザーの方がにわかに理解しやすいものは例えば、アクセルを踏んだ瞬間にドッカーンと爆発的な加速をするとか、ステアリングを少し切っただけで、凄く曲がっていくとか、そういうことがあるのかもしれません。
しかし、STIのチューニングコンセプトはもう少し違うところにあるようです。
強いインパクトがあるコーヒーの方がマニアの方には分かりやすく、さらりとクリアなスペシャルティコーヒーはマニアウケしづらいなど、よく似ている感じです。
明日はMCのいっとちゃん?のお話です。