STI X マグノリア コーヒーロースターズ 第2弾 ! ②
ベールに包まれるスバル レガシイ tuned by STI (tS)です。
必ずしも外観デザインの変更だけがウリのクルマではないと思いますが、こういった儀式は重要ですね。
イベントの目玉でもあります、STI研究実験部長 辰己 英治氏 とモータージャーナリスト 清水 和夫氏のトークショーです。
辰己 英治さんとは昔、全日本ダートトライアル選手権でレガシィDクラス(改造無制限クラス)にドライバーとして参戦されている頃、現場でよく一緒になりました。
富士重工時代、初代レガシィからずっとドライバーとして操縦安定性をご担当されてきた方です。
先にご紹介しましたニュルブルクリンク24時間耐久レースにおけるチーム監督もされています。
清水 和夫さんはもうおなじみの方ですが、モータージャーナリストの中でも、走って、クルマの評価をきちんとできる数少ない方かもしれません。
「目立たないところのチューニングにこそ、クルマの本質的な性能に関わることが隠されている」
「どんなブランドのパーツを採用したかよりも、きちんとした目的に合ったセッティングを与えることができるかが大切」
などのお二人の言葉が印象に残りました。
最新のEV(電気自動車)のお話なども、とても興味深く聞かせていただきました。
そして、アンベール!
STI渾身のチューニングを施しましたレガシイ tSです。
セダン、ワゴン(それぞれMT/ATを選択できます。写真はセダンB4ベースのクルマです)ともにモデル設定されています。
チューニングカーといいますと、皆さんの受ける印象はどういったものでしょうか。
粗野だとか、荒々しい、固い、乗り心地が悪い、馬力があるエンジンなどでしょうか。
しかし、チューニングの本来の意味は「調律」(ピッチを合わせること)です。
例えば調律の代表的なシチュエーションとして、オーケストラが演奏前にコンサートマスター(第一バイオリン奏者)のバイオリンの弾くラの音に合わせて各パート、オケ全体が一体感を持つ440Hz(周波数)にピッチを統一することがありますね。
われわれもカッピングセッションの前にやる、一種のカリブレーション(すり合せ)ですね。
このピッチが各オケ、コンマスの考えや楽器の個性によって、440hzからほんのわずか微妙にズレるところがオケの個性になったりして面白かったりします。
この調律とともにテンポ(速度、リズム、拍子)は、楽譜にアバウトな指示しかありませんので、同じ楽曲だったとしてもコンマスとコンダクター(指揮者)の考え方で個性が出ますね。
もちろん、この他にも個性を出す要素はたくさんありますが、ピッチとテンポは重要なものでしょう。
つまり、レガシィのピッチとテンポをチューニングしたコンマスとコンダクターがSTIという訳です。
また、話が脱線しました。
チューニングとは性能を上げる、仕様を刷新するという意味合いよりは、より高いレベルで「整える」「バランスをとる」といった方が意味合いが近いかもしれません。
チューニングがうまく行ったオケは、お客様に届く音も当然心地よい、より一層気持ちが良いものになるでしょう。
あるいは、オケの意思によるピッチとテンポのコンビネーションで観客に驚きや感動を与えることが出来るんです。
ですので、単純に車高を落とした固いサスペンションとか、粗野で馬力だけのエンジンだとかは本来のチューニングとは全くかけ離れているものです。
改造XXや強化○○というワードがカタログなどに仕様として表記されていたとしても、それはあくまで結果でしかありません。また、改造や強化すれば何でも良いとは限りません。
スポーツカーの「スポーツ」という意味も同様です。
こういった事を実現するには、目立たない部分のチューンが実は重要だったりするんですね。
突き詰めますと、「料理」も「コーヒー」も「クルマ」もなんか似てるなあ。。
そういった意味ではコーヒーのビジネスも日々同じようなチューニングの繰り返しですね。毎日毎日が終わることのないチューニングの日々です。料理の世界も同じようなところがあるのかもしれません。
STIのチューニングですから、当然のことながらそういった本来の意味を十分に発揮したチューニングされたクルマに仕上げられているはずです。
辰己さんも言われていましたが、
「教科書に載っていない自由な発想を取り入れる」
「走ったときに気持ちがよい」「まるで運転が上手くなったように感じる」
そんな感覚が伝わってくる大人のクルマです。
さて、今回のコーヒーサービスはプログラムが一通り終了してからのご提供でした。
明日に続きます。