建築元請け様のこと
建築家の手塚さんに続いて、建築元請けの赤石建設様です。
建築家のアイディアを立体物として具現化するには、様々な専門業者様の知識、経験、技術、人脈などあらゆるものを駆使する必要がでてきます。
名前の通り、その元請けとなり、自社の職人さん(大工)の工数も使い、建物を仕上げていきます。
今回の建築にあたり、見積もりを複数会社様へ依頼しているのですが、その一社様に選ばせていただいたのが赤石建設様でした。
なぜ赤石建設様だったかといいますと、社寺建設を得意とされており、自社に複数人の宮大工を抱えていることから、今回建築にあたり下見板の壁の造作、日本建築のディテールも多いことから、その技術的なものを発揮していただけるのではないかと考えたからです。
赤石建設様は創業150年以上の老舗の建築会社です。
赤石社長は、建築家の建物にも明るく、今回の見積もり図面を見ていただき、ご興味を持っていただいたようです。
建築現場で汗水たらし、作り上げていくのは元請け傘下の職人さんたちです。
基礎からはじまり、構造、給排水設備、電気工事、塗装、屋根等々、様々な職種の職人さんたちの力を合わせ、作り上げていきます。
同じ図面で工事をしても、職人さんたちのモチベーションや技術により、仕上がりは千差万別です。
今回の建物の仕上がりがどうだったかは、是非現物をご覧のうえ、ご判断いただければと存じます。
社寺建設で多くの実績をお持ちからか、外壁の杉板は図面指示の規格よりも良い材料をお使いいただきました。ささら子と杉板を隙間なく行う下見板貼りの造作は、最近あまりみかけなくなった方法です。
こういった細かい作業は、宮大工さんの得意とするところだと思います。
弊店の主要構造部の製材、組み立てを担当しましたのは、石川県能見市にある株式会社中東様です。
金沢駅前の鼓門や今回のオリンピックに使う予定の世界最大級の木造体育館 有明体操競技場も手掛けられたプロ集団です。
今回の構造は、組み立て寸法の高い精度が求められ、大変だったようです。
金沢駅の鼓門もそうなのですが、直線的な大断面材を使い汲み上げているにもかかわらず、完成した建築はどこか有機的なイメージがするのは不思議なところです。