一杯のコーヒーの可能性を信じて..

 

日常のふとしたことから、ほんの少しの工夫から、気づきをもらえることがあります。

例えば、目の前のたった一杯のコーヒーが、毎日のくらしを豊かにしてくれるように。

ローストしたての芳しい香り。フレーバーゆたかで、甘さ、さわやかさが一体となった、クリアで、なめらかな味わい。

そんなコーヒーは、きっと皆さんの忙しい毎日を少しづつ、ゆっくりと変えていくでしょう。

 

皆さんはどんなとき豊かさや幸せを感じますか。

たくさんお金を稼いだとき、地位や名声に恵まれたとき、あるいは欲しい服や車を買ったときでしょうか…. 。

小さな子供の笑顔で幸せを感じる方もいるでしょうし、おいしい料理や、素晴らしい絵画や音楽に出会うことによって幸せを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

人によって、豊かさ、幸せを感じる尺度や価値観はそれぞれです。

唯一無二の正解はありません。

 

人の五感の一部に直接働きかけるコーヒーの味や香りの力は絶大です。

コーヒーそのものにはもちろん、自分に合ったコーヒーを選んだり、おいしさの中身にせまる過程には、暮らしを楽しむヒントがたくさん詰まっています。

モノと情報で溢れかえるこの時代にあって、目が利いて損をすることはありません。

 

ふとしたさりげない日常にこそ、幸せの瞬間は宿ると感じています。

少なくとも、お金やモノだけが、人間に幸せや豊かさをもたらすものではないことは間違いなさそうです。

 

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様々な熟度を見せるコーヒーチェリー(フルーツ)

 

 

大切なことは、知っているかいないかということより、「知ろうとする気持ち」。

本能的なものを除けば、どんなものでも生まれながらに知っている人はいないのですから。

人生は皆に平等一回きり、愉快な方が断然いい。

 

そして、知ろうとしていただいている方への努力は惜しみません。

ときにはコーヒー生産国へ出かけます。お客様にお試しいただきたいコーヒーを探すため、現地でカッピング(テイスティング)し、自らの舌で素材の品質を一つ一つ確かめ、吟味します。

カッピングテーブルの上に並べられた数十の選び抜かれたトップロットをカッピングし、さらにその中から数ロットに絞り込み買付けます。

 

ここまでさせていただくのは、人間は慣れてしまう性質を持つゆえに、豊かさや幸せを感じ続けていただくためには、常に素材(コーヒー生豆)の卓越した品質がベースになければならないと考えるからです。

加えて、この先をお読みいただくと理解していただけると思うのですが、皆さんの手に持っているカップ一杯のコーヒーがおいしくなる理由の大部分は生産国に存在します。

日本をはじめ、消費国内でコーヒーの品質を高めるためにできることは限られています。

 

また、ごく一部の例外を除き、日本を含め、アメリカ(ハワイの一部を除く北米)、ヨーロッパなどの消費国で品質の高いコーヒーが産出されることはありません。

ですから、どこの国のバイヤーであれ、中米、南米、インドネシア、アフリカ等のコーヒー生産国から素材を買付けすることには変わりはないのです。

コーヒーの美味しさの源は、これらの生産国に存在します。この事実は揺らぎようがありません。

 

ソースがしっかりしていて、選ぶ力があれば国内にいながら素晴らしいコーヒーを入手できる可能性は十分出てきております。

それでも、ロジスティック領域、買付リソースなど一部専門会社様のご支援をいただきながら、できる限り生産国で作り手の目を見て、自らカッピングし、お選びしたものを皆様へお届けできるようにこれからも努力していきたいと思います。

 

コーヒー生産国訪問 グアテマラ ウエウエテナンゴ

エル インヘルト農園にて。熟度の揃ったコーヒーチェリーの手摘みの様子。

 

 

高い品質(おいしいコーヒーになるということ)をかなえるためには、産地の土壌、品種、気候、生産処理プロセスなど、どのような工程を誰の手によって経てきたものなのか。保管、輸送にいたるまでどれ一つとして気を抜くことは許されません。

皆さまの口に入るまでの数多くの、長い行程のどこかたった一つにでも問題があった場合、より後ろの工程で失った品質を修正したり、取り戻すことは難しいからです。

そのため、品質の高いコーヒーは、すべてにおいて品質を高めるため、あるいは高い品質を維持するための専用の工程、道を通ってくるのです。

 

たまたま偶然にコーヒーがおいしくなることはありません。

品質を高めようと思うなら、目標とする品質を実現させるための努力をしなければ、その品質が実現されることはありません。

 

努力だけではどうにもならないテロワール(その土地の気候、風土)も確かにあります。しかし、どんなに恵まれた土地であっても、品質にかける人(生産者)の思いがそこになければ、豊かさや幸せにつながる高い品質のコーヒーを作ることはできません。

生産者とのつながりを構築し、どのように継続して品質の高いコーヒーを作り続けていただくかは、コーヒーを実際にお飲みいただく皆様と一緒に考えていかなければならないことです。

コーヒーは農産物ゆえ、病害虫や気候の変動など、外的要因で多かれ少なかれ若干の出来不出来、収量の変動、価格の問題等、常に起きうるものだからです。

 

ここでいう品質とは、多くのマスプロ製品(大量生産品)でいうところの品質とは少し異なります。

いづれかに優劣があるということではないのですが、何十万、何百万と大量生産したときに図面や仕様書通りにできているかどうかの同一性や均質性の有無という基準よりも、客観的な味の物差しによる質の高さのことを指します。

 

もう少し具体的に言えば、質の高さをベースに持つ、ユニークさとも言えるかもしれません。

品質の高さがベースになければなりませんが、「個性」があるということは質が高いコーヒーの世界では評価されます。

他とは違うこと、他にはない何かを持っていることが質の高いコーヒーにとって、とても大切なのです。

 

コーヒー生産国訪問写真 グアテマラ アンティグア GUATEMALA ANTIGUA スペシャルティコーヒー

グアテマラ アンティグアでの買付カッピング

 

 

いよいよ遥か遠い生産国からの長い旅も終盤です。

ここまでに何度目の選別でしょうか、ドライミル(生産国)での生豆の脱穀、最終選別、入念なパッキングも終わりました。品質高いコーヒーを輸送する場合、最近は麻袋に直接入れる方法は少なくなりました。

通関や様々な輸入検査を終え、定温管理された横浜の倉庫から、ようやくお店に素材(生豆)が届きました。これからロースト(焙煎)を始めますが、この工程ではとてもドラマティカルな変化がコーヒー豆に起こります。

 

コーヒーフルーツの種子で、うすいグリーンをした、ただ固くそっけなかった生豆(なままめ)が、適切なロースト工程を経ることにより、印象的な香り、味わいのコーヒーに変身します。

その変貌ぶりは、まるで赤ん坊がある日突然言葉を発するように感動的です。

焙煎は何百回と繰り返しても、そのたびに新しい発見がありますね。

 

これは私個人の考えですが、焙煎は科学的(化学的)、物理的な作業と捉えておりまして、ことさら芸術的な才能が必要とは思いません。しかし、味と品質の考え方を表現する大切な工程ですので、多少のセンスはあった方がいい。

ここでいうセンスとは、流行の服を着たり、帽子をかぶることではありません。読んで字のごとく、感じとれる心のことです。

 

私が望む焙煎の着地点は、素材の品質を惜しみなく発揮させること。この一点です。これ以外には何もありません。

どんなに最新の焙煎技術を駆使しても、どんなに素晴らしいマシンを使っても、失われた品質を焙煎で蘇えさせたり、元々ない品質を作り出したりすることはできないのですから。

焙煎工程でどれだけ努力しようとも、所詮、素材が生来持っている品質を超えることはできないのです。

逆に素晴らしい素材を焙煎の間違いにより、一瞬でダメにしてしまうことはとても簡単なんですが。

 

これまでのすべてのプロセスで、最終的な品質確認は客観性をもった「官能評価」によって行われます。

つまり、ローストしたテストサンプルを皆様が飲むのと近い条件で、粉の状態での香りの確認から始め、最終的にはコーヒーを実際に口に含み、ほぼ世界共通の評価フォーマット(2015/12)に従い客観的に評価をいたします。

 

客観性のある評価とはいっても、生身の人間である以上、嗜好やこれまでのバックグラウンドを完全に排除し、ニュートラルに評価することはとても難しいことです。

あえてそこに臨むのは、個人的な好き嫌いよりも、お客様お一人お一人においしいと感じていただくことが、最も大切なゴールと考えるからです。

そして、より客観性の高い評価をするためにはコーヒーの経験は勿論ですが、コーヒー以外の飲み物、食など「味」に関する経験、積み上げが大切であると強く感じています。

作り手の評価能力を超えるものを生み出すことが難しいのは、味の世界もまた同様です。

 

 

はるか遠く生産国や消費国である日本も含め、たくさんの人が力を合わせ、多くの工程を経ることでようやく、甘く、クリーンで明るく、さわやかなコーヒー豆が出来あがりました。

品質が高められた結果により、収穫された土地、農園ごとや生産処理(仕上げ方)の違い、ときには品種による味わいの異なる個性、多様性をワインのように楽しんでいただけるコーヒーです。

 

そして最後の仕上げ(抽出)をしていただくのは…、皆さんお一人お一人です。

いれ方はご家庭で普段使いにおいしくお飲みいただくことを考えれば、それほど難しい技術は必要ありません。品質の高いコーヒー豆さえあれば、コーヒーの身になって、ほんのちょっと気を使っていただくだけで大丈夫。(お使いになるコーヒー豆の品質によって、ベターな方法は変わります。)

もうおわかりかと思いますが、お手元に届いた時点で、おいしいコーヒーをいれるためにできることは、すでにほとんど済んでいるのですから。

 

少し冷めてからの方が、フルーツの種子であるがゆえのコーヒーの持っている甘さや色々な果物などの香り、明るい爽やかさを感じていただけるかもしれません。

目の前のコーヒー豆の品質を超えることができないのは、抽出(入れ方)も同様です。

 

こうして 丁寧な工程を一つ一つ積みあげることによりつくられる、品質の高いコーヒーを「スペシャルティコーヒー」といいます。

みなさんの口の中に入った瞬間に「美味しい」と感じていただけるかが全てです。

外国の方は、これらの工程をFrom seed to Cup(種子からカップにいたるまで)と言ったりします。

スペシャルティコーヒーがコーヒーであることには変わりはないのですが、普通のコーヒーを少し美味しくしたもの、あるいは普通のコーヒーの延長線上にあるものとはどうやら少し異なるようです。

少し大げさな言い方になってしまいますが、生産国から、消費国まで海を越えて多くの人が力を合わせ、あらゆるプロセスで一分の間違いも許されない中、ようやくお届けできるキセキのコーヒーです。

 

お一人で、あるいはご家族でお飲みになりますか?それともお店でご提供されますか?

お気に入りのお菓子やパンなどとコーヒーの風味、舌触り、質感の相性などをお楽しみいただくのも面白いと思います。

それぞれのお気に入りのいれ方で、マシンや器具など色々トライしていただくのもコーヒーの楽しみを広げてくれるでしょう。

 

ロースト豆をお持ち帰りいただきましたら、できる限り早く飲んであげてください。

どんなに品質のすぐれたコーヒーの香りも、時間の経過とともに揮発し(弱くなり)、味わいはやがて劣化していきます。

できれば豆のまま低温、暗所保管していただきますと劣化のスピードを緩やかにすることができ、淹れる直前に粉にしていただけますとより素晴らしい結果が得られます。

 

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「おいしかった!」と言っていただけたら、自分もうれしい。

だから、ずっと品質を、おいしいさを追い続けます。

コーヒーについて分からないことがありましたら、どうぞお気軽にお尋ねください。

準備を整え、お待ちしております。

 

目の前の一杯のコーヒーが、皆様にとって大切なものになりますように願っています。

 

a cup of specialty coffee.., may change your life. 

一杯のコーヒーで感じていただける幸せはほんの小さなもの。でも、一人一人が少しづつ幸せになれるとしたら…、きっと何かに繋がる。

2015年1月

マグノリア コーヒーロースターズ 代表

富岡 恒久

 

Find your favorite ご使用方法

皆様のお好みのコーヒーに出会えることを目指し、WEB上でサポートするしくみを考えました。 どうぞお試しください。


  1. favorite(左または上ボタン)の▼ボタンでお客様にとって優先度が高くご参考にされたい項目を選んでください。
  2. favoriteをお選びください(右または下ボタン)でお選びいただいた項目の官能項目の質感の目安5〜1を選択します。(5が高く、1が低い. ただし、ローストの深さのみ強度を示す.)表中にあります官能項目以外も選択できます。
  3. 選択項目を増やす場合は ”+”ボタンを押してください。(Xで削除できます.)
  4. 絞り込み検索をしていただく項目数はいくつでも追加可能ですが、最大で3〜4程度をおすすめします。
  5. 項目数が多いほど、結果として選ばれるコーヒーは少なくなる傾向になります。
  6. 希望される価格レンジもスライドバーを左右に操作することにより加えることができます。(初期設定はすべての価格が適応/価格スライドバーは、PCのみ対応)

*各項目の評価はより客観的なものを目指しておりますが、弊店のローストの考え方(弊店の商品)、カッピングに基づく評価であり 絶対的なものではありません。 あらかじめご了承ください。

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