アートディレクターの必要性

 

今回の計画にあたり、店舗の建築に関し、建築家を中心としたものづくりが進められたわけですが、建築以外の部分についても出来る限り作り込みました。

建築家の手塚さんからも「建築以外のデザインの面で、デザイナーの力を借りた方がより良いものができる可能性がある」と示唆していただきました。

手塚さんが設計、監理の「ふじようちえん」では、デザイナーでありクリエイティブ・ディレクターの佐藤 可士和さんと協働されたことは、前のブログで述べました。

 

私「どなたかいい人いらっしゃいますか?」

手塚さん「うちで紹介するとしたら、佐藤可士和、佐藤卓とかですね。」

*佐藤卓さんはほぼにち手帳のデザイナーとしても有名な方ですね

私「ありがたいお話ですが、全く無理です!」

 

有名デザイナーにお願いすれば、予算を遥かに超えてしまうことは火を見るより明らかです。

 

そこで、色々と考えたのですが、「そうだ、お客様でデザインをやっているという方がいた」と思い出し、その方にアポをとってお願いにあがりました。

それが今回、アートディレクションをお願いしたARC.B2C 中村 政久さんです。

中村さんは、弊店が創業して間もないころからのお客様であり、10年以上のお付き合いになるでしょうか。

その風貌から、どう考えても太田の人ではないな(そこそこのお年なのに、ロン毛の茶髪で、ときにハットを被り、それがさまになっている)、東京から来ているのかな、などと勝手に思っていたのですが、半分は正解で、半分不正解でした。

何度かご来店いただいて、少しお互いに気心が知れたタイミングで、何をされているのですか?などとお尋ねしたところ「広告、宣伝かな?」とお答えになっていたことを思い出したのです。

 

そして、2年ほど前から当時のお店の最寄駅のすぐ近くにOTA ART GARDEN(通常は営業、一般公開はしておりません) というギャラリーを主宰されていて、そこで第一回打ち合わせとなったわけです。

 

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向かって右から二番の方が中村 政久さん、右隣は建築家の手塚 貴晴さん、左端は手塚建築研究所の伊藤さん @OTA ART GARDEN

 

そこで、明かされた中村さんの実績は驚きの数々で、中村さんの作品のいくつかは、最後にご紹介させていただきますが、「コストを考え近くの人にお願いしたのに、これはヤヴァイかも」と自分のやましさに後悔することになったのです。

しかし、高校の後輩であることを逆手取り、交渉を進めました。

フルコースでアートディレクションをお願いすることは予算上もスケジュール上も難しかったので、ロゴマークの改変、ショップカード、名刺デザイン、店舗のサイン(看板)一式、そして外構デザインをお願いすることになりました。(格安で)

ロゴマークに関しては、それまでのデザインをリデザインする形で、最小限の変更にするのが良いとのお考えでした。

看板は、鉄をくり抜き、鉄をわざと錆びさせることで視認性、味わいを増していくというコンセプトです。駐車場の案内看板は中村さん宅に50年以上寝かせてある木をベースにするというアイディアです。

鉄と木という正反対の素材の質感のコンビネーションさせ、鉄が錆びることで、木との親和性を増すという面白い考えです。

 

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駐車場への誘導看板

 

そして、中村さんの仕事の極めつけは、外構(庭)のデザインとその造園作業です。

ご自宅の造園もご自身でやられるとのことで、植物に関する造詣も深く、結果素晴らしいものにしていただきました。(ちなみに私は嫌いではないのですが、花々、木々に関し、全く無知で、ダメなんです。お店でお尋ねいただいてもご満足いただける答えを用意することは難しいと思います)

中村さんが連日長靴を履かれ、麦わら帽子を被り、スコップで土を掘り返し、肥料を入れ、泥にまみれて作った手作りの庭です。作業中この方が、電通出身のクリエイティブディレクターとは誰も思わなかったと思います。

タイミングを見計らいどこからともなく現れて、黙々と作業をされて帰られます。そういうことが今でも続いています。

ポイント、ポイントに植えてあるツリーは、中村さんと私で県の花木センターで買い付けたものです。

太田市景鑑賞受賞のブログに詳しく書かせていただきましたが、今回の外構のコンセプトは「慎ましやかに」ということでした。

建築の特長をより際立たせ、周囲との調和を最大限に発揮させ、美しい景観に寄与していくことを目標にしました。

ですから、派手な造作はしていません。木々や花々も最小限です。どちらかというと地味ともいえるかもしれません。

しかし、近隣の環境を自分たちなりに理解し、その特長を妨げることなく、シンプル、クリーンにデザインされています。

春の八瀬川の桜の季節、秋の紅葉の季節が見せ場です。

芝生をはじめ、まだ木々も植えたばかりですので、生えそろうまでは2、3年かかるかと思います。これからじっくり育てていく感じですね。(芝生内部への立ち入りご遠慮いただいております)

普段の水やりや剪定など、出来る限り自分でがんばりたいと思っています。

 

しかし、いくら立派な箱であっても、結局は中身の運営は人がするものです。

その人との関わり方をしっかり見据え、わくわくできるような体験をコロナ明けからはやらせていただきたいと思っています。

 

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中村さんによる、正面から見た外構デザインの初期スケッチ

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正面看板周囲のデザインスケッチ。現在は、まだ草木が低いので、スケッチとは違いますが、数年のうちにこんな感じになるはずです。

 

 

さて、中村 政久さんのこれまでの作品ですが、例えば、

・FMラジオ局 J wave の開局記念ポスターのアートディレクター

当時、東京近郊の駅という駅に貼りまくられていたポスターなので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。(1991年くらい、様々なバージョンがありました。)

 

91 jwave

 

・ザ・サントリーカクテルブックのアートディレクター

バーテンダーを志す人なら一度は開いたことがあるゴールドの装丁が眩しいカクテルのバイブル。当時、中村さんがニューヨークなどで買い集めたアンティークグラスを使い、一点一点撮影に臨んだもの。

サントリーカクテルブック

 

・トヨタ自動車 世界戦略マーケティングのクリエイティブディレクター

・トヨタL&Fカンパニー 企業広告 クリエイティブディレクター(広告電通賞受賞作品

 

JR 東海 クリスマス エクスプレスのアートディレクター(第1作、第2作)

バブル世代の50歳前後の方達は知らない人がいないほどの超有名なCM。30年を経ても色あせないストーリー性、構成の作品は世代を超えて愛されています。(第6作まで作られた。)

当時中村さんと電通で席を並べ、このCMでクリティブディレクターを務めた三浦 武彦 氏は、のちに著書の中で次のように語っています。

「クリスマス・エクスプレスを企画した時の時代の気分は、国全体を包み込む大きな不安でした」

「メッセージは、『こんな夜は、一番大切な人のそばにいて安心したい』でした。」

 

ここで三浦さんがおっしゃっているCMが作られたときの『国全体を包み込む大きな不安』とは、申し上げるまでもなく当時の不動産・株取引を中心とした金融「バブル」です。

今はバブルではなく、コロナという全く質の異なる不安に包まれている世の中ですが、こういった時代にこそ新たな、別の形でのクリスマス エクスプレスが生まれることを期待しています。

クリスマス エクスプレスの制作裏話を色々聞かせていただいたのは、とても興味深かったです。

 

この他にも、たしか、カンヌライオンズ 国際***という広告賞のトロフィーも置いてあったので、何かで受賞されたのかもしれません。

 

深津絵里さんが初々しい、クリスマスエクスプレス第1作。

 

第二作は、牧瀬里穂さんのデビュー作となり、話題になりました。この2作まで、中村さんがアートディレクターとして参加されました。

 

他にも、Tech21や宮沢りえさん出演の資生堂等々、多数のCMを手掛けられました。

 

こちらは、広瀬ずずさんが主演で、最近の牧瀬さんが登場するという30周年記念バージョン。

CMではなく、山下 達郎さんの「クリスマス イブ」のミュージックビデオになります。

 

 

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